”揺れる”日々

地震や噴火が「列島」を揺らしている。

 

ショッキングだろうと永らく敬遠してきた「原爆の図」だが、最近見てみたいと思うようになった。悲惨な画面なのだが、顔だけは実際と違って綺麗に描いてあるのだと知ったからである。供養の意味があるという。

 

丸木美術館は路線は違うものの、同じ県にあることだし、行ってみようと思っていたのだが、なんと今月からワシントンで展示されるため、日本での展示は5月いっぱいだったと知った。その代わりと言ってはなんだが、普段は地方のあちこちにあって、まとめて見ることができない、各地に奉納された「知られざる原爆の図」が見られるらしい。

 

人間の生涯のテーマみたいなものは、そのひとの生年と関係があるという説を聞いたことがある。

 

その年に生まれたひとすべてがそういう「運命」に関係づけられているとは、太陽星座のみの「占い」のように信憑性があるとも思えないが、この説をある程度私は信じていて、私の場合は、サンフランシスコ講話条約締結の年なのであった。つまり、日本の「独立」ということだ。

 

沖縄返還の問題に関して、佐藤栄作の密使として、核持ち込みの「密約」に関わった若泉敬が遺著を書いて自裁したというのは、90年代の話だが、最近は書籍や報道が時々ある。読んでみようと思いながら、それらの本を読む機会がなかなかなかった。

 

政治や外交が表のチャネルだけでないだろうことは皆分かっているはずのことではあるが。責任をとったのか、結果としての沖縄の現状や政界に裏切られた気持ちが大きかったのか…。佐藤栄作という「安倍一族」が関係しているので、是非読まないと、と思うようになった。

 

そう言えば、学生運動の余派がまだ残る時代に、まったくのノンポリとして過ごした私だが、一度だけ大学1年のときに同級生に誘われたのか覚えていないが、デモというものに行ったことがあって、それが沖縄返還要求のデモだった。いわゆるフランスデモというか、平和なものだったけど。

 

故・若泉教授は言っていたそうだ。

 

「戦後の日本人は危機管理など考えたくないことには目をつむり耳を塞いできた。そしてきれいごとをいって、耳に心地よいことばかりを追い求めている。まるで愚者の楽園である」と。

 

愚者の楽園とは、まるでフランドル派の絵のようだ。