憲法

朝から雨。お昼頃から一旦あがって、降ったり止んだり。これで台風がいつくるのだろう。明るい空。

 

先日、図書館で借りた憲法について書かれた本がとてもいいものだったので、改めて買うことにしてアマゾンで朝、注文した。憲法というと、9条やら天皇についての条項ばかり話題にあがるが、この本は地方自治など、多岐にわたるイシューを憲法がどのように定義しているかを、わかりやすく解説している優れた本だと、ざっと目を通して思ったのだった。とくに経済活動のありようと憲法の趣旨の関係が白眉だ。

 

いずれの項目についても、憲法自体は理想に近い内容なのだが、戦後の運用の課程でそれがなし崩しになったり、十分その力が発揮できない状況に陥っていることを、イデオロギー的ではなく、丁寧に解説している。これは珍しいことである。

 

とくに、資本主義経済の行き過ぎについてのブレーキ機能を本来持っているのだが、

2008年以降の経済危機のなかで、その機能が生かせておらず、状況がますます悪化していることを、大恐慌の例などと比較しながら、書いている。名指しで批判されているのが、中曽根政権と小泉政権で、非常に納得するところである。

 

アメリカの下院の選挙制度が、小選挙区制一回投票という、先進国では稀なシステムをとっていることなど、知らなかったことがいろいろあった。日本も含め他の先進国では、第1党だけが強力になりすぎる弊害を避けるために、比例代表制に移行したなかで、アメリカは例外的なのだそうである。

 

愚者としか言いようのない首相はじめ、NHKなど権力を乱用したり、捏造報道をする腐敗したメディア、土建業界や広告業界だけが潤う東京オリンピックへの狂騒曲など、昨今の日本については私はすっかり絶望していて、日本人をやめたくなるが、ただし、占領の置き土産であるこの憲法だけは、世界のどこにもない素晴らしい遺産だと思うようになった。