ゴースト

昨日の朝から、猛烈な高温と蒸し暑さ。また、けさの早朝、福島沖で比較的大きな地震があった。このところ、地震があちこちで起きているが、ここは本当に揺れたことがない。

 

昨今日は、グランド・シャルトルーズ修道院を描いたドキュメンタリー映画の初日で、行こうかな…と思っていたのだが、熱中症になりそうな天候なので、遠出はまた日を改めることにした。撮影を申請してから許可が降りるまでに、16年、2006年の公開だが、日本公開はそれからまた9年が必要だったことになる。

 

19日からの「思い出のマーニー」ならば、沿線でも上映館がある。こちらも思い入れがあって、見なければと思っている。

 

「思い出のマーニー」は20年ぐらい前に愛読していた岩波少年文庫の英国児童文学で、ノーフォークのマーシュ(湿地)で思春期の孤独な少女アンナが幻想の友人を得る、独特の雰囲気の作品。自然描写も印象的で、当時繰り返し読んだ。いわば、ある種のゴーストストーリーでもあるのだけれど、少女たちの感情や関係がとてもリアルで、幻想と現実が不思議な均衡を保っている。(そういえば、去年、北国で見たアメリカ映画Safe Havenもゴーストリーな要素もあって、好きだった。主人公が隠れ住む田舎の、一風変わった、でも感じのよいお隣さん。全然評判にならなかった映画だけれど…。)

 

「マーニー」は、このたび、宮崎駿ジブリがアニメーション化したので、大ブレイクするかもしれない。

 

今、改めて英語版を買って読み直しているのだが、巻末に、作者(女性・故人)の娘さんが、面白いことを書いていた。

 

あるとき、日本人の男性で、子どもの時に大好きな本だったということで、「マーニー」の舞台の町を訪ねてきたのだが、町の名前は実は架空だし、英語もあまりできない人なのだが、一念でノーフォークの海辺の町まで辿り着いたという。彼はたまたまだけど、「日本名」の家をそこで見つけて、その人に案内をしてもらったということだが、そんな田舎町に日本人が住んでいるのも不思議と言えば不思議。

 

それほどの「蛮勇」をふるわせる素晴らしい本なのだけれど、アニメではどうなっているだろう。期待半分、不安半分である。