夜のお客さん

雨模様のすっきりしない日が続く。

 

ここへ来た最初の年は、周りに樹木が多いせいかと思ったが、玄関口に大きな蛾がとまっていてビックリしたり、階段の踊り場や天井に小さな蛾がとまっていたものだった。

 

次の年にはいろいろな猫たちが入れ替わり立ち代りで、猫が原で狩りをしたりしていて、もちろん蛾もないないわけではなかったが、だんだん少なくなったように思った。

 

昨年はもっと少なくなり、猫も前の年とは入れ替わっていた。ときどきだけ来る、茶トラの猫のように、引き続き来ていたものもいたが。

 

2週間ぐらい前には、ベランダに出してある木のベンチの上に、朝、バッタが来ていた。まるで部屋のなかを覗き込んでいるようだった。ときどき、ゆっくりと移動して、小一時間ぐらいはいただろうか。

 

そんな、奇妙な「お客さん」がここにはたくさんいる。昨晩は、ものすごい蝉の鳴き声が洗面所でしたと思い、玄関ドアを開けたときに蝉が飛び込んでどこかに潜んでいたのかと焦って、音の出るところを探し回ったが、どうも玄関ドアの向こう側で鳴いているようだった。轟音といっていいほどの、大きな音で驚いた。

 

夜のstranger。