洋服やらアクセサリーをどんどん処分していくなかで、いくつかレスキューしたものがあるなかの一つのこと。
おともだちと伊勢に行く2、3年前、母と伊勢に行ったのだが、そのとき、ミキモトで買った小粒のパールのネックレス。所々にちょっと大きめのをはさんだ三連のもので、三連といっても、それぞれの円周が2、3センチほど離れている、繊細なつくりのもの。
あまりつけてはいなかったが、大好きなもので、且つ、これは譲り受けたパールと違って、自分で買ったものだったので、レスキューしたのであった。
飾りのない、真っ白な正方形の、美しい箱に入っていたのだが、箱のほうは東日本大震災のあと、アクセサリーは本体だけ残して、ケースなどは皆処分して、まとめて置いておくというように、サバイバルモードにしてしまったので、残念ではある。
おともだちに那智勝浦で買ってもらったこれも三連の珊瑚のネックレスとともに、私の二大宝物である。
この可愛らしいパールたちを眺めていると、伊勢の青い海、明るい陽光を思い出す。
おともだちと行ったのは5月で初夏だったから、もう半分夏のようで、海もキラキラしていた。
人生に完全な幸福というものがあるとすれば、あの時間こそ、それだったと思う。