草伸びる

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連休も4日目。大型連休というけれど、1日、2日は結構暦通りの、というか、普通に出勤しているひとが多いように思えた。遠出するより、普通の暮らしでのんびりするほうがいいと思うひとが増えているのでは。

 

桜が終わると、あっという間に、緑が濃くなり、草が生い茂るようになった。この季節は本当に「生命力」というものを感じさせる。まるで、早送りの動画を見ているように、雑草がたくましく日ごとに伸びている。

 

家のなかの雑用はあるものの、とりたてて何かをしようという気にならないので、今朝はぼんやりと窓の外を眺めながら、紅茶を飲んでいた。窓はまるで緑のポスターを貼りつけたように、新緑一色である。こんな具合なので、わざわざ公園に出かける必要もない。

 

最近、SalingerのFRANNY AND ZOOEYをパラパラ読んでいる。

 

これは翻訳だとわからないけれど、驚くほどやさしい英語で書かれており、一部、口語的表現で一瞬「?」と思う箇所も時々出てくるが、読む進むには問題ないし、なんというか、独特の軽やかさ、シンプルさのある文体である。

 

このグラース家のひとびとをスノッブだと思わないひとはいないだろうが、それにしても、「巡礼の道」などの形而上的問題を、軽妙で且つリアリティのある文章で紡ぎ出していることは、驚くばかり。

 

村上春樹も形而上的テーマをよく扱っているが、彼がどんなに頑張っても、「カッコつけ」のレヴェルを超えない。

 

サリンジャーはそういう意味では偉大な才能なのだろうけど、それを生み出した、複雑なパーソナリティや環境、さらに人生経験があってこそ、生まれたものなのだろう。

 

うらうらと陽光の差し込む黄金週間の午後。