ここ数日涼しい日が続いている。とくに今日は湿度が低く、爽やかで、皮膚がべとつくような暑さがなく、快適だ。東北や北陸では、この2日ほど、大雨が続いたが、それでも線状降水帯が

順次南下していったのは、普通と逆で、何か妙な気がした。

 

来月には「Daunton Abbey」の劇場版の第2作がくるらしい。といっても、この数年、映画は一本も見ていない。もちろん1作目も見ていない。

 

テレビ版のは、最初のをDVDで見て、あとシリーズの2、3、4ぐらいまでテレビで見たような気がする。

 

振り返ると、やっぱり最初のシリーズが良かったと思う。朝食の席で、タイタニックの事故のニュースを皆が知る場面だ。歴史的な時間と事故のインパクトを上手に使ったプロローグだった。きっとディナーの席ではダメなのだ。朝食だから、「明」と「暗」がくっきりしていて、

さりげない日常と「ドラマ」の対比が印象的になる。

 

今、夕方で、いろんなことが思い出されてくる、そんな時間だ。

 

海外ドラマにそんなに詳しいわけでもないが、数年前に見た、スペイン内戦時代のsewing makerというのか、そんなものがとても面白く、原作まで読んでしまった。

 

それもどうして思い出したのかといえば、昔、銀座にそうした小さな洋装店があったのだ。

とっても趣味がよく、溜息をついて、店の前を通ったものだ。といっても、オートクチュールというほどの立派なものではなく、街の小さなお店なのだが、私の職場だったところの担当の前々任者がそこで素敵なドレスをつくったことを聞いていた。

 

お針子という言葉がぴったりの小さなお店。翻ってドラマのほうも、運命に翻弄されるヒロインがsewingの腕を生かして、人生の荒波を渡っていく。

 

途中で、スペインからポルトガルへ舞台が移る。秘密の任務の受け渡しの場所が教会なのだが、あのあたりの国らしく、黒いマンティリャみたいな長めのヴェイルをかけて教会へ向かうヒロイン、暗い聖堂のなかで絵になっていた。

 

ヒロインが友情を結ぶいろいろなひと、彼女を文化的に啓蒙するゲイっぽい親切な隣人とか、英国人の女性とか、その彼らのとのピクニックシーンも最高!

 

スペインのものなんて田舎くさいんじゃないかと思っていた自分の不明を恥じる、洗練されたドラマだった。今まで見た中では白眉だったかもしれない。