戻り夏

台風一過で、また夏が戻ってきたようなお天気。かっと照りつける太陽。8月くらいでも、吹く風は秋という肌寒い日が結構あったのに、今日はかんかん照りの真夏日。私は夏が大好きなので、とても嬉しいけれど。

 

7月、8月と台風やら大雨もあったりして、夏は少しも夏らしくない、へんな気候だった。それなので、まるでボーナスというか、思わぬ、「夏日和」のプレゼント、しかも

日曜日なので、街の人々も季節が逆戻りしたことを楽しんでいるようだ。なにがなし、うきうきしたカジュアルな夏の雰囲気が漂っている。

 

台風の大風でもう残っていないかしらと思っていたサルスベリだけれど、上のほうに少し花枝が残っていて、嬉しかった。

 

普段はとりたてて空を見上げたりはしないけれど、上のほうの花を見上げるために首を反らすと、青い青い空に花が映えて、いつになく爽やかな気分になった。単純なことだけど、人間の意識のありようは、体勢でずいぶん変わるものだといまさらのように思う。

 

昔から、10月10日の体育の日(今は移動祝日だけど、以前は10日だった)までは、真夏のような暑い日があるのが、例年のことだった。その通過点を過ぎると、誰かがきっぱりと決断したみたいに、夏の名残は完全になくなるのだった。

 

夏を抱き込んでいる不思議な秋の、10月。11月になると、もう秋はとっぷり暮れているので、ミステリアスなのは10月のほうなのだった。