クモ 2

このあいだのクモはやっぱり死んでいるのだった。残念だが、天井に小さな姿を残している。一日だけの付き合いだったが、思い出がある。

 

蜘蛛の巣だからといって、そこは掃除はしない。もともとクモは益虫だし。

 

家のベランダもだから、冬だったか、業者が入ってペンキを塗り直したりする作業があったのだが、そもそも家にひとを入れないことにしているし、それだけでなく、下作業として清掃をするので、ガラスパネルにできている蜘蛛の巣を壊すことになってしまうので、化学物質アレルギーです、と言って断った。

 

そういえば、明日はガスの安全点検があるから、また、居留守を使わないと。

 

以前、この近くの林で、とても綺麗に何重にも円形に張り巡らされた蜘蛛の巣を見た。

去年の晩秋だったろうか。枝と枝のあいだに掛けられていて、そのあたりは人もあまり通らないので、完全な姿で保たれていたのだろう。糸が朝日にキラキラ光って美しかった。

 

ベランダ前の八重桜なども、晩秋、葉がだいぶ落ちたころ、残った葉っぱが空中でくるくる回っていたので、不思議だな、なんだろう?と思っていたら、クモの糸にぶら下がって揺れているのだった。