猫談義

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また寒さが戻ってきた。昨日は猫が原の樹木の剪定に業者さんが入って、大々的に枝をはらったので、原っぱは、なんだかスカスカである。チェーンソーの音が一日中鳴っていた。

 

一昨日の午後、ふと思いついて、階下のやはり一人暮らしのおばさまのところを訪問した。この人とは「寒いですね」と会ったときに立ち話をするぐらいだったが、昨秋、急に猫達がいなくなったときに、さりげなく猫の話題をふってみて、さらに、自分がこっそり餌をやっていて、お宅の迷惑になったのではないかと話してみたら、なんと「実はウチにも一匹いるんです」という驚きの話で、よかったら猫談義でもと言われていたのだった。

 

お菓子を持って、初めて訪問したKさん宅の猫は、少し和猫ではない血がまざっているらしく、とても足が長く、おとなしい猫だった。ソファの上に置いたサークルのようなところに入って鎮座していたのだが、しばらくすると、隣の私の膝の上に乗ってきて歩いたりした。

 

猫達が姿を消して、今は別のグループが来ているのだが、そのなかにいかにも凶悪な顔の黒猫がいて、Kさんも私もやっぱり「人相」ならぬ「猫相」はあるのだということで、意見の一致をみた。

 

胸が白い、灰色の猫が時々来るのだが、これがとてもこの黒猫を恐れていて、いつも周りを見回しているのである。この灰色猫はオス猫だと思っていたのだが、Kさんによると、メスなのだそうである。メス猫はある程度になったら、体が大きくならないとか。骨格でわかるらしい。

 

Kさん宅のニャンコは前の猫が、Kさんのご主人が病死したあとひと月で亡くなり、どうにも寂しくてたまらず、シェルターでもらってきたのだそうだ。実はそのシェルターに行ったとき、とても綺麗な猫が何匹かいたのだという。そこに、小さくてショボクレて、育つだろうかというような猫がちょろちょろしていたのだが、それが突然Kさんの膝にトンと乗ってしまったのだという。

 

そうされると、「縁」のようなものを感じ、育つかなあと不安もあったけれど、その猫をもらうことにしたのだそうだ。それが今ではあまり病気もしない元気な猫になったとか。

 

私たちが猫の一代記を話しているとき、猫はじっと耳を傾けているみたいだった。

Kさん曰く、とてもひとのこころがわかる猫なのだそうである。

 

私も、犬より猫のほうが人間のこころを読めるような、繊細な能力がある気がする。また、ある種のシックスセンスも猫は割合強く持っていると感じる。

 

Kさんの話では、ここではペット飼育禁止だが、かなりたくさんのひとが実は猫を飼っているそうである。

 

1時間ばかり、お茶をいただきながら猫談義したのだが、そばに猫がいる時間は、なにかいつもと違う時間が流れている。野生とか、こころ、とか、なんなのだろう。時間の密度が濃くなるような何かが。

 

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