炎熱選挙

驚くほど強い陽射しと暑さの日。朝から植物に水やりをするのにベランダに出るだけでもクラクラするほど。

 

まだ涼しいうちにと8時過ぎに、投票に出かけた。最近は期日前投票のひとが多いせいか、会場はガラガラだった。

 

20年ぐらい前だったか、期日前投票を始めてしたときは、結構条件が厳しくて、理由も限定されていて、さらに、投票用紙を封筒に入れて密封して、投票箱に入れた記憶がある。だいたい、会場も少なかったので、近所でできるという感じではなかった。

 

それが、いつごろからだったろうか。小泉政権の頃から、区役所とかでなくても、普通の投票所に期日前のオフィス(というほどのものでもないが)が設けられ、簡単に投票できるようになった。こんなところで大丈夫というような感じになった。

 

今回の選挙ではさらに、18歳から選挙権があるので、学校や駅やら、手軽に投票できる場所が設けられている。

 

私が今回当日まで待って投票に行ったのは、選挙の流れを最後までみてからということもあるが、根強くある不正投票の噂である。これを避けるためには徹底的に監視体制をつくるということが第一で、それをやっている人たちもいるようだが、まずは、自分でできる常識的な線からということで、当日投票をこころがけた。

 

不正がある証明はできないが、あれだけたくさんある期日前投票所で投票された箱の管理が、適正に行われているかどうかは見極めるのが難しいから、不正の可能性もまったく否定するわけにはいかない。

 

だいたい、当日に投票することなど、朝7時からやっているのだからカンタンなことで、それよりさらに「お手軽」がいいと思うひとは、有権者としての自覚が低いのではと思ってしまう。

 

今回の私の選挙区は「関ヶ原」と言われるほどで、自民、民進はほぼ確定ぐらいの票が予想されているということだが、のこりの一議席をめぐって、公明、共産が激しく争っているのである。公明候補は過去の選挙は盤石だったのだが、なにしろ安倍政治の酷さと、自民党は今はそれにあえて触れていないが「改憲問題」があるので、与党を自民党と担っている公明の候補は、逆風を強く受けているのである。

 

普通だったら、共産には入れないひとも、改憲阻止が念頭にあるひとなら、公明を落としたいというのは、自然な流れだと思う。ただ、有権者の意識はそれほど高いとは思えず、公明候補の言っている、中小企業の見方です、みたいな、経済政策やインフラ整備が魅力に見えてしまう層もかなり厚いのが現実かもしれない。

 

私も、若者の改憲反対ムーヴメントの背後にある勢力、などを考えて、ずっと迷っていたのだが、自民党の改正憲法の草案というのを読んで(http://constitution.jimin.jp/draft/)、びっくり仰天した。天皇を元首に、とか、総理大臣をトップにした国防軍の創設とか、緊急事態条項が発令された場合は、衆議院の解散をすることができなくなり、議員の任期が延長される、といった内容を読んで、呆れたというか、あまりの酷さに、

もともと改憲反対派ではあったが、それに拍車がかかった。

 

また、草案を読んでみればわかるが、改正案の文章はあきらかに、現行憲法と比べて「格オチ」である。

 

押し付けられた憲法云々といっているが、日本の憲法学者や政治家とのすり合わせも当然あったわけで、そういう記録も読んだことがあるが、「これが普通」と思っていた「日本国憲法」の条文が、やはり日本語としても素晴らしい、素晴らしすぎるものであることが、今ようやくわかった。

 

それにしても、安倍首相及び自民党は最近、二院制は無駄が多い、一院制にせよとか、教育現場で、「こどもたちを戦争に送るな」という言説をいう教育関係者を密告するような、通信フォームをつくったり、とか、常識では考えられない暴走ぶりで、アタマがおかしいとしか思えない。

 

自民党にもかつてはもっとまともな人がいたのだろうが、この安倍政治の暴走を止める

良識あるひとはいないのだろうか。いないからこういう体たらくになっているのだろうが。

 

私自身、野党も問題山積で積極的には支持できないし、「この人」と支持したいひともいないのだが、とにかく、まずは改憲勢力(議員の三分の二で発議できる)となってしまう数の議席をとらせないようにするしかない、と思った。

 

第二次安倍政権になってから、なにかというと、「戦争の足音が聞こえる」と言うひとたちのことを、そういう短絡的な思考では困ると批判していた自分も、ことここに至って、異常な総理をいただいてしまったために、亡国の道をひた走らせてはならないと思った次第である。

 

先日のバングラデシュのテロも、さらに遡って、チュニジアでのテロでも、日本人が標的にされたが、これは安倍首相がイスラエルを訪問して、キッパをかぶってホロコースト記念碑で祈りをささげたりしたことに由来すると思われる。とんでもないことをしてくれたものだ。

 

安倍首相の導師というか、精神的支柱になっている、例の怪僧だが、彼の寺が朝鮮総連本部を45億円で買ったことも驚きだし、また、先日亡くなった鳩山邦夫はなんとそのとき知ったが、この怪僧の檀家総代だということで仰天した。

 

宗教法人の魑魅魍魎を退治するには、課税しかないと思うのだが、自民党議員のほとんどが、神道政治連盟の会員だから、現状では不可能だ。

 

憲法を変えさせないためには、支持できない野党でも、一時的には手を組む必要がある。究極的な理想を実現するためには、ある意味、矛盾するようだが、現実的な妥協を上手に組み合わせていかなくてはならないと思う。

 

南スーダンの首都で大規模な戦闘があって、兵士も150人ぐらい死亡したというのが今朝流れたニュース(テレビではやらなかったが)。自衛隊も駐留し続けると今後無傷ではいられないと思う。運命のカードを握った投票日の、重い現実だ。