修繕

昨日はお昼に雨があがって、そのあとは夏のような雲が湧いて、雨上がりで少しむしむししていた。今日は朝から晴れあがって、明るい陽射しがカーテン越しに揺れている。

風が結構出ている。最近はなにかと風の強い日が多いような。

 

昨日、ここの管理のことを書いたけれど、ちょっと前に、高齢化などにともなって、マンションにいろんな問題が出てきているというのを経済オンライン記事で読んだ。

 

都心の一等地にあるようなマンションでも、高齢者の一人暮らしなども増えて、ローンなども完済していて経済的には問題がないのだが、たとえばゴミ屋敷化していて、隣近所が迷惑をしていたりするという話が結構ある、と。独居高齢者で認知症があるのか、

あるいは単に億劫でだらしがないのかは不明だが、増えているらしい。悪臭や虫が湧いて、近所は大迷惑。隣近所が近いので、戸建のゴミ屋敷よりわけが悪いわけである。

 

私がかつて住んでいたところも、ちょうど14年住んでいたわけだったが、処分した数年前ぐらいから、数名の管理費滞納があることが管理組合の集会で問題になっていた。管理費と大規模修繕のための積立金は一緒に納めるので、そういうことが増えると、修繕費用にも問題が出てくるわけである。

 

理由や氏名は公表されなかったが、入居して10年経ったころからだろうか、大規模修繕の積立金の増額というのが始まって、グラフにすると急カーブの上昇で、管理費と合わせると二倍ぐらいに増えるようになったのだが、それが響いていたのかもしれない。

実際、毎年毎年増えていったので、結構大変で、これが年金暮らし世代だと、家計直撃である。

 

私があの家を手放したのは、第三者の意向が入らないうちに、相続トラブルの元凶になりうる不動産を処分したいということと、放射能問題もある程度あったが、それだけでなく、この年々上がる修繕積立金について、詐欺のような印象を持ったし、実際、将来の支払いが家計を圧迫するだろうというのを感じていたこともある。販売元は大手の不動産会社だし、いわゆる詐欺ではないが、購入時には低い金額に設定にしているのは、やはり詐欺といってもよい。

 

それと、自分がどこかへ引っ越して賃貸に出す人も増え、コミュニティの維持が難しくなりつつもあった。理事会とか管理組合の役員などは賃貸のひとはやらないようで不公平感もあるし、出入りも結構あって、うちのお隣なども知らないうちに、人が変わっていて、顔もろくろく知らないといったような…。

 

ネット記事ではマンションの購入には賛否両論あるが、一番賢いのは新築を買って、一回目の大規模修繕が始まる前、つまり、15年目ちょっと前に売り抜けるというやりかたかもしれない、と書かれていた。

 

私が処分したのはちょうど14年目で、引っ越した翌年から修繕が始まったので、意図したわけではないが、ベストタイミングだったのかもしれない。修繕の2回目が次の15年目だから、今問題が出ているところは、おそらく30年といった築年数のものだろう。

 

その記事を読んで知ったのは、大規模修繕といっても、外壁の塗装や屋上防水といった外回りであって、要するに見た目の資産価値を高めるだけのもので、実は一番重要な配管とか排水管のメンテナンスや取り替えはやっていないのがほとんどということだった。そのため、経年劣化で、水漏れトラブルなどが起こりやすくなり、保険をかけていないと大変な賠償金が発生したりと、修繕の盲点も知った。

 

さらに、年々固定資産税は減っていくはずだが、マンションの場合は、共有部分の面積も加味して課税されるようで、築年数が長くなっても、あまり減らないというのである。

 

これではダブルパンチ、トリプルパンチである。自分でもぼんやりと、将来ここも荒れるんじゃないかなあ…と感じていたことが、案外と近い将来の現実かもしれないことを、この記事が知らせてくれたようなものだった。もちろん家があることでの精神的安定感というのはあるので、メリット、デメリットはどちらにもある。

 

実際大変なのは、築14年、しかも見学に来たひとたちがみな一様に驚く、綺麗な状態(いったい他の家はどうなっていたのだろう…)でさえ、売却はものすごく大変だったことだ。何十人もの見学者がやってきたが、話は進まず。不動産業界の協定で、売りに出しているときは、同時に他社に出してはいけないという、協定書のような一筆を書かされるのだが、強制力はないみたいだし、二ヶ月たっても埒があかないので、別の会社にあたったのだった。 

 

長い暑い夏だった。