チャトランの木

 

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一日中降っていた昨日の雨もあがって、爽やかな晴れの日。桜の花びらが風にのって、ベランダへ入ってくる。風が吹くと、ゆっくりゆっくり空中を舞いながら、降りてくる花びらたち。

 

豪華な花吹雪より、ひとひら、ふたひら、ゆっくり舞う姿のほうに興趣を感じる。穏やかな風の日でないとならないし。

 

冬のような日が続いて手放せなかったダウンコートやブーツの片付けなど、季節の変わり目にはいろいろやることが多い。ようやく春が来た、という感じだ。

 

先日、近所の子供達が猫が原に侵入して、ニセアカシアの小さな木を引っこ抜いて引きずっていくのを、たまたまベランダで鉢の整理をしていて見つけた。

 

ここの植木はきちんと管理されている「他人のもの」であることを言い聞かせ、植え直させた。

 

大きく横に張っていた根がちぎれてしまったので、根付くかどうか心配である。もともと隣の藪のようなアオキ?みたいなものを避けるように地面に向かって傾いて生えていた木なのであった。

 

まっすぐに植えるしかなかったが、隣のアオキと少し絡まってしまう。それで、ヒモでアオキを別の木のほうへ引っ張ってゆわえ、根付くまで、絡まないようにした。

 

しかし、今日になってよく考えてみると、最近は強風も多く、その場合は、むしろアオキがあれば絡まって支えになってくれるだろうと考え直した。

 

私が手をかけたのが、かえって仇になるかもしれない。自然は自然に任せよう、と思って、ヒモを切りにいった。

 

昨日は終日雨だったので、水やりはかえって根のまわりの土ががゆるんでよくないかなと悩んだが、ある程度水やりもしてみた。事情を知らないひとは、わざわざ水やりをしているへんなひと、と思っているかもしれない。猫が原には掃除の人や植栽管理のひとしか、普段は入らないからだ。

 

この木は、かつて、めったに来ない、ボビさん似の茶トラの猫がよくその下で寝ていた

私にとっては大事な木なのであった。