泥の池

朝晩は少し涼しくなったけれど、日中はまだ蒸し暑い今日このごろ。

 

さて、民進党の党首選だが、党首候補二重国籍問題でここ数日騒がしくなった。結果的には、問題の人物が台湾籍離脱の手続きをとったというものの、除籍には1ヶ月ぐらいかかるということだから、二重国籍の党首誕生ということになる。

 

二重国籍自体は認めている国もそれなりにあるから批判するのはおかしいという声もあるが政治家であるわけだし、一議員ではなく、政権をとったこともある党の党首になるわけだから、総理大臣になる可能性だってあるのである。

 

そもそも、最近、総理を目指すという発言をしていたことからして驚いた。とてもではないけれど、今回のことを見ればわかるように、国籍問題以前に、二転三転する言い訳、虚言とその撤回(記憶違いでした)が繰り返され、そのことがむしろ問題視されている。

 

彼女は「ネット社会の怖さを思い知った」という発言をしているが、台湾籍は抜いたという彼女の証言を覆したのこそ、悪名高い?2ちゃんねるの国籍疑惑追及委員会(急遽立ち上げられたらしい)だったのだ。台湾の官報がすべて電子化されてウェブサイトに載っているのを発見して、手分けしてチェックしたという。今どき、中国語ぐらいできるひとはいくらでもいるのである。国籍離脱者は幼児にいたるまで、全部リストアップされているが、当該年に彼女の名前はなかったという。

 

彼女は台湾籍を持っているわけだが、台湾人(故人)の父親は、台湾人といっても本土からきた、いわゆる外省人である。ということは家系的にいっても大陸とのつながりは強いはずであるし、北京大学に2年語学留学をしているが、そのあいだ何をしていたか今ひとつ定かではない。

 

彼女の祖母は台湾バナナの半分ぐらいの取引の権利を持っていたといわれ、日本統治下のいわゆる「政商」であり、日本政府と緊密な関係にあったといわれるが、日本の敗戦後、日本協力者が厳しい弾劾や追放にあったなかで、おとがめなしだったといわれ、そのあたりにも、何か闇がありそうである。

 

世の中では、水着でカレンダーになったりした芸能人あがりみたいに思って半ばバカにしている面もあるが、実は台湾、大陸ともに強力なコネクションを持つ、「華人」の一族なのである。日本国籍取得も、兄弟の就職のた皆で取得したということだから、

兄弟も何をしているかはわからないが、日本社会のあるいは枢要にいるのかもしれない。

 

議会での追及でもただアグレッシブなだけで、政治家として中身があるとは決して言えない彼女が、いかに野心家とはいえ、党首選に名乗りをあげたことが私としては不思議だった。女性党首として名乗りをあげたかったというのは事実だろうけれど。

 

彼女が党首に立候補すれば、当然抵抗がある層から国籍問題が出てくることは半ば自明であるのに、なぜ党では誰もチェックをしなかったのかという疑問は出てくるが、これはまったくの仮説というか推測のわけだが、国籍問題が出されれば、日本がナショナリスティックで外国人を差別しているという批判が国内左派、ひいては、海外から出てくるだろう。国籍がネックで落選すればますます対日批判は強まる。

 

そして、当選すればしたで、外国籍(現時点では)も併せ持つ党首誕生ということになって、この場合、台湾、中国にとって自国民族の出自を持つ、日本の野党党首誕生ということになって、何かと影響力をウラであっても行使できることになる。

 

つまり、どちらに転んでも、日本を不利な立場に追い込むことができるのである。現に、BBCにいる日本人女性記者が日本の右翼的な層が党首選で国籍問題によって人種差別をしているという記事を書いているという。

 

党首候補の彼女は国籍問題もさることながら、二転三転するその説明に誠実さがまったく感じられないことが驚きであった。そうして、当選するやいなや、「日本を愛している」とか、しらじらしい持ち上げ方をして、他候補2人をも、最大限に持ち上げている。あまりにも見え透いている。

 

手続き論として誤ったこと、除籍の事実がないのを隠蔽したことが問題だと私は思っているが、ネット右翼は、やっぱり嘘つきなのは中国人だからだ、みたいな誹謗の仕方をしていて、これはよくない発言ではあるが、あまりにもしゃあしゃあと虚言を吐くそのやり方に、日本人的ではないものを感じたのも事実である。

 

また、これからはヘイトスピーチ法もあるので、よほど慎重にしないと、揚げ足をとられかねない。

 

彼女は芸能タレントからテレビ朝日のキャスター、それから政界へというコースを辿っているのだが、今考えると、誰かが「深謀遠慮」で、日台ハーフという点に目をつけ、

(日中ハーフであれば警戒されるかもしれないが)将来政界へ送り込むことも視野にいれて、放送業界にスカウトしたのかもしれない、と思ったりもする。

 

彼女が意識しているか否かは別だが、大いに野心家であるわけだから、その野心をテコに駒として利用することができるだろう。

 

そんな、「誰か」がグランドシナリオを練った結果であるとは思いたくないが、もし長期間にわたって「仕込まれた」爆弾だったら、と少し背筋が寒くなったりもする。

なにしろ本人がアタマが悪い(今回のみえみえの言い訳がそれ)わけだから、却って危険な存在である。