IP電話

寒さがいよいよ厳しい。まあ、都会に住んでいるし、役所や大病院も近所だし、水や米も備蓄してあるので、これ以上なんかするとしたら、ジェネレーターを買うぐらいか。最近は簡易式の蓄電システムがあるみたいだ。

 

さて、北国からの引越の際に、N◯◯の「基本料金がお安いし、今はその流れですよ」という甘言に乗ってしまい、新しいもの嫌いで(だってシステムとして安定していないから)有名な自分であるのに、引越を機会に、IP電話に変えた。といっても、基本料金は千円ぐらい安い程度。

 

ところが、先日の徳島の雪害で孤立集落で死者も出した原因というのが、このIP電話というので青くなった。総務省の政策誘導で補助金がついて、集落全体をIP電話化したのが裏目に出て、停電で連絡がとれなくなってしまったのだった。気の毒なのは、「国策」の犠牲になった高齢者たちである。

 

とはいえ、北国、いや、それ以前に、首都圏にいたころから、たとえばガスや石油ファンヒーターといっても最近は着火が電気になっているから、熱源は電気でないとしても、停電時にどうするのだろうと思い、北国でもずいぶん探しまわったが、ごく小さな熱源しかないもの、それも、ほとんど売っていなかった。

 

たしかに、あの地方は二重窓で家は暖かいが、それでも停電になったら、7階でエレベーターえ使わないわ、ストーブは作動しないわで(幸運にも滞在期間を通して停電はなかったが)、どうなるんだろう、とよく考えていた。生命の危険を感じたものだ。

 

さっそく、また、旧来の電話回線に戻そうと、ネットで調べたり、書類をひっくり返していたのだが、旧来の回線については「預かり証」のようなものが発行されていて、

10年経つと、電話加入権は「自動的に消滅」するのだそうだ。

 

昔は、電話加入権は10万円前後で取引されていたから、なんだか詐欺のような話である。これはいずれにしても、IPでは110番や119番にも電話できないようだし、

そういう緊急対応できないようなものを、流布させているのは、防災上どうなんだろう、と甚だ疑問である。

 

しかし、問題は、これから交渉しないとどうなるかわからないが、ひかりの解約をすると、電話番号が変わる可能性があるということと、経験者の書き込み等をみると、ワイファイ環境が変わってネットがしばらく繋がりにくくなったり、PCの再設定をしなくてはならない、トラブルが結構ありそうで、憂鬱である。

 

PCの設定は、リモートサービスという電話サービスで、技術者が教えてくれるけれど、これだって、IPで停電になれば、使えないわけである。

 

インターネットで不具合があるときも、今はほとんどネットで調べるので、PCがもう一台最低はないと調べられないし、笑い話のようなものである。そうした場合、iPadだと、使いにくいし。

 

私はもうひとつ、ポータブルのルーターを旅行や移動用に契約しているけれど、これも、今はあまり移動がないのだが、リスクヘッジの意味もある。(普段あまり使ってないから大丈夫かな…)

 

しかし、ここの巨大集合住宅はおかしなところで、最近は見かけない公衆電話が二カ所あるのである。ひとつはすぐ眼と鼻の先。

 

誰も使っているのを見たことがないが、案外これが大活躍するかもしれない…。阪神大震災被災したひとが、通信関係者から、電気のいらないあの「黒電話」はとっておいたら、停電時に微弱電流でも使えますよ、と言われたそうだ。