翡翠玉

ロシア革命が尽きぬ興味を感じさせるのは、そこに、近代化のあらゆる問題が噴出していて(共和制/王政、都市問題、労働問題、都市と農村の対立、民族・宗教問題などなど)、それがロシア一国にとどまる問題ではなく、普遍的な価値を持っているからだと思う。

 

 革命全体を見ていて興味深いのは、いわゆる「職業革命家」たちが、自分たちの理論に手足を縛られてしまっていて、革命は「ブルジョア革命」「プロレタリア革命」と二段階で起こる、だから今はその時期ではないというふうに、二の足を踏んだりする局面が結構あったことだ。

 

「様子見」に走っていたときに、権力の空白みたいなものができる。

 

レーニンが「こんなにやすやすと権力を握ることができるとは思わなかった」というのは、まさに本音だろうと思う。当時のロシアは、「誰が勝っても本当はおかしくない」状態だったのだ。

 

歴史も当時は「現在」だった。

 

ニュースをていると、歴史と二重写しになってみえる時がある。

 

Kの翁が某インタビューで「病気にならなかったら、と思うことはありませんか?」と聞かれて、しばらく考えて、「それはないけれど、革命がなかったら…と思うことはあるね」と答えていたのが、印象深い。

 

昨日のこと。書店で雑誌を見ていたらバラバラと青い玉が落ちて来た。一瞬なにが起こったのか分からず頭が真空状態に。翡翠のブレスレットの紐が切れたのだった。屋内というのが不幸中の幸いだったかもしれない。out of the blueとはまさに。