昨日の朝、台風が来ているのでざわざわ揺れている木々を見ていたら、ベランダの下にまた、白足袋の黒猫くんが相棒?を連れて、やってきていた。この猫は本当におかしくて、私が戸をあけてベランダへ出ると、じっと見上げて、見つめるのである。(すごくヒゲが長くてなんだかネズミのような変わった猫たちである)
こんな風の強い日に野原にいなくても、と思うのだが、どうも気にしていない風情。この集合住宅では動物は飼えないことになっているのだが、都営住宅の知り合いも、自治会長さんからして、猫を飼っていて規則を破っているので、おそらくどこも、迷惑をかけさえしなければ「見て見ぬ振り」なんだろう。
最初はいっしょにやってきた二匹なのだろうが、狭い溝をはさんで、二匹が別々に隔てられてしまっているように見えるのが、おかしい。
そういえば、1.2年前ごろだったか、川を渡る夢をたびたび見た。たいそうな川ではない、浅瀬みたいな小さな川なのだが、長靴がいるとか、いらないとか、私が考えていたりする。
このあいだも茶虎が来たし、猫達が来た日はなんだか嬉しい。
読んでいた本のなかに、サンテグジュペリの言葉を見つけた。
「建築成った伽藍内の堂守や貸椅子係の職に就こうと考えるような人間は、すでにその瞬間から敗北者であると。それに反して、何人にあれ、その胸中に建造すべき伽藍を抱いている者は、すでに勝利者なのである」