「たいせつなお友達」とは連絡するすべがない。それがどうしてか分かるような、分からないような、しょうがないのか、しょうがなくないのか、もやもやがあったりする。
だから、気持ちを引き立てるようにはしているけれど、時々は気分は沈みがち。しょうがない、しょうがない…と。考えても本当にしょうがないので、考えないようにはしている。
そんななか、昨晩、茶虎のBさんのことをふと思い出した。時々、ニャンコさんたちはどうしているかな…と思い出してはいたけれど。それでBさんに「どうか、ご主人さまに私の気持ちを伝えてね。あなたはいつもそばにいるでしょう」と想像のなかで話しかけてみた。
でも、その後寝てしまったから、メッセージのことはすっかり忘れてしまっていた。
夕方、ゼラニウムの枯れた部分を剪定しなくちゃとベランダに出たら、びっくり仰天。
ベランダの下の野っぱらに、茶虎の猫がアンモナイトのように渦巻きになって、寝ていたのだった。
あまり動かないので死んでるのかと、心配になり、双眼鏡を出してきて、見てみたが、もちろん生きていて、ほっとした。アカツメクサの咲くなかで、夕方の涼風も吹いて、きっと気持ちよく寝ていたのだろう。
そういえば、時々、姿を見かけたことがある茶虎だ。それにしても、上から眺めると、広々としたところで、本当に悠々、泰然として寝ている。一階のひとたちも、きっと茶虎くんに好意的なのだろう。
「きっと、ご主人さまに伝えてくれたのね」と私は思った。
しばらくして、茶虎くんは、アンモナイトをほどき始めた。