階下のひと

夕方、郵便受けのところで、年配の御婦人がいて、そのひとが、一階の、私の家の階下にあたる家へ入ろうとしたので、慌てて、引っ越してきた旨、ご挨拶をした。

 

一月前、引越した当初は何度か訪ねたのだけれど、たまたまどなたも不在で挨拶が遅れてと言うと、それは申し訳ないと言って、自分もまだここへ来て3年なのだと挨拶された。

 

ときどき、孫達が来たり、音楽をかけたりするのでうるさかったら遠慮なくおっしゃってくださいという、礼儀正しいかたで、驚く。だって、普通は、私のほうが階下のひとにうるさくないか気を使うわけだから。

 

構造上か、いずれにしてもあまり物音は響かないので、助かっている。

 

そんなわけで、また急いで家へ入り、挨拶の粗品を持って訪問。これでようやく、ご近所さんとの顔合わせが終了。まあ、あとは階上のひとに、もしあったら、自己紹介しておこうと思う。

 

今日のお宅も玄関はすっきり広々していて、本棚やコートハンガーや、置き場所に困って布で覆っておいた備蓄のミネラルウォーターの箱などをなんとかしなくては。

 

そんなに広くはないが、なかなか構造的にお洒落な玄関先なのに、猫の置物まであるから、それはベランダに移そうかなどなど、アタマを悩ましている。

 

おかしなもので、いつも静かで誰がいるのか分からないと、いろいろ警戒してしまうが、一旦面識ができると、なんとはなしに私も家にいてもリラックスできる。リアルなおつきあいというのは大事だなと思った。もし災害などがあっても、遠くのナントカより、やはり近くの他人ということわざ通り。

 

まあ、ここは防災上選んだぐらいのところなので、広大な公園はあるし、広い敷地の病院はあるし、病院は当然自家発電設備があるだろうし、市役所も警察も至近なので、

安全という意味ではかなりの高得点だろう。

 

夕方の涼風が吹き出した。