GINZA

今日は北国へ行っていた間、ご無沙汰していたクリニックへ定期検診に行った。何事もなくまずはほっとした。

 

ずいぶんご無沙汰していたうちに、銀座も様変わりしていて、通りをはさんで向いにあったはずのハリー・ウィンストンのビルが、ティファニーの大きなビルに変わっていて、びっくり。隣はブルガリになっていた。

 

並木通り近くの薬局へ回って処方箋のクスリを貰ったが、並木通りも、銀座一丁目付近は昔はちょっとさびれた雰囲気もあったのに、綺麗なカフェやピッツェリアや何やらで、すっかり様変わりして、今日は陽射しもそこそこ強く夏みたいだったので、こうしたお店を見ながら木陰を歩いていると、まるでローマのコンドッティ通り(そこまではいかないか…)を歩いているみたいで、すっかりお上りさん気分だった。

 

ずっと8丁目あたりまで歩いていくと、資生堂の新社屋が目を奪うようにピカピカしていて、路地というか、これまで雑然としていた銀座通りと縦に交わる通りなども、ずいぶん綺麗になっていた。これには本当に驚いた。

 

お昼は、前から大好きな中華料理屋さんでサンラータンを食べたのだけど、そこでゆっくりお昼を食べている人種というのも、やはり東京ならではというのか、どういう人種なんだろう…というような感じ。ここの向かいにパン屋のポンパドールがあったのにも驚いた。以前銀座にはなかったと思うが…。

 

浦島太郎になったような気分。

 

薬局で読んだ雑誌に看護学で博士号を持っているある物書きの女性が、がんの治療をするこころがまえについて連載をしていたのだが、彼女によれば、インターネットの情報はネガティブなものが結構あるので、書き手の立場や、疾病のどういったフェーズについて書いているのかなどを、よく理解しなければならない、鵜呑みにすることはよくないと書いていたが、非常に納得できる意見だった。

 

インターネットはたしかに表に出ない真実がさらされていることもあるが、偏った面も大いにある。

 

今日かいま見た銀座の活力というのが、皮相な繁栄のようには、どうも私には感じられなかった。銀座はとくに「旦那衆」が頑張っていることもあるのだろうが。落ち着きというか余裕というか。

 

東京一極集中を批判するあまり、目が曇ってしまっている論調が、ネットには結構多い。それは「来て」「見て」自分の眼で、たしかめないとダメなのだ。