インド追想

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スカーフやらショールやらのちょっと凝った刺繍があるものは、製造地を見ると、「インド製」となっていることが多い。

 ローラ・アシュレイで昨日買ったグレーの厚地木綿の膝丈スカートもそうだった。裾のところに少し淡いグレーで幾何学模様が何列にも刺繍されており、その下に同色のジョーゼット生地でごく短いフリルがついている。フリルといっても、写真のようにしごく地味なもの。ローラアシュレイUKの製品で、タグには「インド製」とある。

 プリミティヴな刺繍なので、おそらくインドで手刺繍したものだろう。なんとなく、温かみが感じられる。

 これに何を合わせようかなといろいろ考えてみた。グレーなので何でも合うとは思うが、全体として赤みが勝ったペーズリーのブラウスを合わせてみた(AMACAの製品)。ジョーゼット地の、ゆったりした長めのチュニック・ブラウスである。

 このAMACAのブラウスは生地がリバティー社製(リバティ・ジャパン)で、ブルーグレーの地に、濃いめのフューシャピンクや薄い黄土色やらの勾玉模様が展開されている。いかにもリバティーという感じの配色、模様である。

 スカートもインド製なら、ブラウスのペーズリーも、インドやペルシャに模様の起源を持っていることで、インド繋がりになる。ペーズリー模様の起源はおそらくは古代ペルシャらしいが、インドのカシミール地方でこの模様のショールが特産となり、19世紀に英国に持ち込まれて、スコットランドのペーズリー市で発展をみた。それで、こう呼ばれるようになった。

 日本では勾玉模様とも呼ばれているが、インドではもともと、どのように呼ばれていたのだろうか。

 リバティプリントは日本でも絶大な人気があり、私も大好きだが、リバティはもともと、19世紀の後半に東洋趣味の製品を扱う百貨店として始まり、なかでもファブリックが有名になった。

 もとを辿ると、ペーズリーもリバティープリントも東洋にルーツがあるといっていい。けれど、それを製品化したり、トレンド化したのは、西洋人である英国人であったわけで、「外」の眼がないと、良いものでも見過ごされてしまう好例なのだろう。

 まあ、洋服を着るのにそんな面倒な理屈はいらないけれども…。

 長い旅路と歴史を経てきた模様たち。ペーズリーの模様は菩提樹の葉っぱが起源という説もあるし、ゾウリムシに似ている気もする。勾玉というのも、不可思議な「生命の原型」といえるかもしれない。

 ブラウスとスカートの色合わせを考えながら、かつて訪ねたインドのブーゲンビリアの葉叢や朝焼けの空を、ペーズリー模様のかなたに思い出す。スパイスマーケットの香りがどこからかしてくるようだ…。

 

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